UnBooks:カダフィーちゃん
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オープニング[編集]
- 砂漠のとびら 開いてみましょ
- みんなでافتح يا سمسم 呪文を唱え
- おはなしの くにへ
かわいいカダフィー[編集]
- ある 小さなテントに、ベドウィンさんという、遊牧民の夫婦がすんでました。
- 黄ばんだ布に、窓とかは特についてないおうちなの。
- ベドウィンさんは動物が大好きで、ヤギさんや、羊さんや、いろいろな家畜を育てていました。
- 毎日お馬さんに乗って、家畜を連れて、放牧したり、売りに行ったり。
- おくさんは家のおそうじをしたり、ベドウィンさんのためにお料理。
- 時々する内職では、きれいなかごを作ります。
- ある日、あまくておいしそうなナツメヤシを買いました。
- ナツメヤシの形を見ながら、ベドウィンさんのおくさんがつぶやきました。
- 「はやく、赤ちゃんがほしいわ。
- そしたら、かわいいサファリ柄の衣装も縫ってやれるし、あなたはお馬さんを買ってやれるわ」
- で、ある晩、革製の天井をコトコト叩く音がしたの(ガラス窓がないの)。
- おくさんはテントの外を覗いてみました。
- すると、あら、天から声が。
- 声は言いました、「願い事を、かなえてあげましょう。赤ちゃんは、もうすぐ生まれます」
- そう言うと、偉大なる予言者の声は、聞こえなくなってしまいました。
- ベドウィンさんたちは、うれしくてたまりません。
- それからまもなくして、赤ちゃんが本当に生まれたの。ベドウィンさんたちは、「カダフィー」と名付けました。浅黒くて、野心家の、誇り高きリビアの狂犬です。
- カダフィーちゃんを見に、ネコさんやロバさんやひよこたち、そして後には牛さんまでもやってくることになります。
- 「まあ、なんてちょこざいんでしょう」と、ブルドッグさん。
- カナリアたちは、「ねえ、カダフィーちゃんと、あそんでもいい?」
- でも、カダフィーは狂犬なの。
- カダフィーは、まだ軍人だから、影でたくさんテロルしなくてはね。
- カナリアさんやタカさん、それにブルドッグさん、みんな、そうっと帰って行きました。
- 護衛の美女は静かに入口の幕を下ろしました。
- カダフィーちゃんはしゃあしゃあとしています。
- なにはともあれ、
- おやすみなさい、カダフィーちゃん。
カダフィーちゃんのうた[編集]
- カダフィー、カダフィー、カダフィーちゃん、みんなだいすき、
- ごつい顔に派手な服がスーテーキー、
- カダフィー、カダフィー、いっしょに、あそびましょう……
カダフィーとラクダ[編集]
- ある日、カダフィーちゃんは、いろいろ考えたの。
- 大きくなったら、お父様にラクダを買ってさしあげましょ。
- そしたら、王族と同じに振る舞えるわ。
- 立派なラクダで、きれいなお花が一つも咲いていない砂漠を走ったら、さぞかし気持ちいいでしょうね。
- カダフィーちゃんは、ナセルが大好きなの。だから、お池では、アヒルさんたちに、
- パンをあげよう。腹ペコのアヒルさんたちは、あっという間に平らげちゃうわ。
- 演説をするときは、口を滑らせないよう、ちゅういしなくては。うっかり、大国とぶつかったら、たいへん。
- それから、急な空爆の時は、一生懸命逃げ回ることね。大きくなれば、わたし、力も強くなるから、きっと大丈夫。
- タカさんのお家は、海の向こうにあるの。屋根は白くて、その中は真っ赤。とっても悪趣味よ。わたし、タカさん、だあいっきらい。会うと、いつもきついトマホークを食わされるの。
- 帰りは下り坂で、もうどうしようもない。マンホールの中までは、あっという間。わあ、なんてたのしいんでしょう。
- でも、気をつけよう。誰かに見つかったら、怪我をするし、車だってめちゃめちゃになるわ。帰りも、反対派に見つからないように、こっそりと帰りましょ。
- 真っ黒い銃口が現れたら、きっと雨が降るわ。そしたら、わたしは血みどろ。
- でも、へっちゃらよ。カダフィーちゃんって、なんでも楽しく考える天才なんです。
- おうちについたら、金のピストルをピカピカになるまで、磨こうっと。
- でも、これはぜーんぶ、カダフィーちゃんが心の中で思ったことなんです。とにかく、まず、政権を取り戻さなくちゃ。政権を取り戻したら、大きなラクダに乗って、どこへでも行けるもん。
- それまで、まっててね。(2011年10月20日)
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
![]() 本項は第19回執筆コンテストに出品されました。
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