フォルクスワーゲン・タイプ1
フォルクスワーゲン・タイプ1(Volkswagen Type1)もしくはフォルクスワーゲン・ビートルとは、アドルフ・ヒトラーがフォルクスワーゲンに作らせたナチスの数少ない正の遺産の一つである。
出生の経緯[編集]
1920年代、フェルディナント・ポルシェが大衆車の構想を練っており、1930年代にはアドルフ・ヒトラーもまた党の支持を集めるための撒き餌として、大衆車の開発を企てていた。両者の思惑が一致し、以下の条件がヒトラーから提示された。
- 頑丈で長期間大きな修繕を必要とせず、維持費が低廉であること
- 標準的な家族である大人2人と子供3人が乗車可能なこと(すなわち、hydeであれば5~6人乗れること)
- 連続巡航速度100km/h以上
- 7Lの燃料で100kmの走行が可能である(=1Lあたりの燃費が14.3km以上である)こと
- 空冷エンジンの採用
- 流線型ボディの採用(これが後にカブトムシやゴキブリなどと呼ばれることになる。)
以上の条件を満たして生まれたのが、カブトムシみたいなカッコをしたKdF-Wagen(歓喜力行団の車)であった。この車の開発が終了し、一般市民(ユダヤ人が除外されているのは言うまでもない)が購入しやすいように購入資金の積み立てプランも設定され、大量に拉致ったユダヤ人をこき使って生産する予定だった。しかし、第二次世界大戦が激化するにつれ、購入希望者に引き渡されるはずの車が軍のために徴発され、後述する軍用モデルはユダヤ人という豊富な労働力を駆使して生産されたものの、タイプ1は終戦まで一般市民の手に渡ることはなく、当然本来手に入れるはずだったユーザーの積立ごと戦火で灰燼に帰した。無論、ユダヤ人の一件があるため文句を言うに言えず、泣き寝入りせざるを得ないのは言うまでもない。しかし、KdF-Wagenの工場がイギリス軍の将校の目に留まり、カブトムシそっくりだったKdF-Wagenは「ビートル」こと「フォルクスワーゲン・タイプ1」として日の目を見ることとなった。
反響[編集]
タイプ1はデビューするや否や、いきなり世界中で引っ張りだこになった。アメリカでは商魂たくましいユダヤ人によって売り出され、大ヒットした。ユダヤ人排斥にうつつを抜かしていたヒトラーは草葉の陰で何を思っていたのだろうか。あの世の者でないとわからない話である。ブラジルでは「フスカ(ゴキブリの一種)」、タイでは「タオ(亀)」と呼ばれて親しまれた。その結果、ナチス謹製という出自の持ち主であるにもかかわらず、戦争でズタボロになっていたドイツに大量の外資をもたらし、最終的には65年にわたって2153万台も生産されることとなった。
その後[編集]
フォルクスワーゲンはかれこれ30年以上はこの車や派生モデルばっかり作っていたため、陳腐化によって経営は悪化してしまった。結局、ゴルフをメインに据え、タイプ1は1978年にドイツでは生産終了となった。しかし、長期生産によるその安さからメキシコでは「国民車」としてあがめられ、引き続き生産されることとなった。しかし、21世紀に入ると設計があまりにも古くなりすぎ、空冷エンジンというものは当時の環境基準ではあり得ないものとなっていた(逆になんでそんな時代まで生産できたのか不思議なんだが)。そして2003年7月30日、ついにメキシコ工場てタイプ1の最後の1台が完成し、65年に渡る生産が終了した。このニュースは世界中に伝えられ、多くの惜しみの声が届いた。タイプ1を愛するマニアの中には生産終了のニュースに涙する者もいた。ちなみに2003年は日本で国産のトキが絶滅した年でもある。
メカニズム[編集]
- 空冷水平対向4気筒OHVエンジン
- この車のタフさを象徴するエンジンである。排気量は1,0リッター、1,1リッター、1,2リッター、1,3リッター、1,5リッター、1,6リッターが存在する。後輪車軸の後ろに搭載されており、このエンジンで後輪を駆動する。ホンダのカブに20年ほど先駆けた強靭なエンジンである。ただし、同排気量のエンジンに比べて非力であるが、そんなことは誰も気にしない。
- 気密性の高いボディ
- ドアを閉めっぱなしにした状態で水の上で10分間は浮く。この気密性の高さが買われ、水陸両用の軍用車シュビムワーゲンが製造された。トップ・ギアの水陸両用車チャレンジに用いられてもおかしくないほどの出来だったが、3人が大のナチス嫌いであったため、用いられることはなかった。
派生モデル[編集]
ここでは、主に有名な派生モデルを紹介する。
- タイプ2
- 初代から3代目まではタイプ1がベースとなった1BOXバンである。なお『トップ・ギア』では水陸両用車チャレンジにて3代目が水陸両用車に改造された。タイプ1を用いなかったのは、この番組の出演者らが大のヒトラー嫌いだからである。
軍用モデル[編集]
ナチスの命によって軍用車両も開発されている。何気に試作車としてリムジンにしたりトラックにしたり、ターボ化したりディーゼル車にしたり、挙句の果てには木炭車や電気自動車、スポーツカーまでもが存在している。しかし、そんなお遊びが祟ったのか、これらの軍用モデルがまともに供給されないことが多々あった。
- キューベルワーゲン(Kübelwagen)
- 戦時中にKdF-Wagenをベースに製造された軍用車両である。タイプ1の耐久性をいかんなく発揮した。車名を日本語に訳すと「バケツ自動車」になる。これは、シートを作る余裕が無くやむを得ずバケツを代わりに装着していたためである。
- シュビムワーゲン(Schwimmwagen)
- キューベルワーゲン同様にKdF-Wagenをベースに製造された軍用の水陸両用車である。10分間は水上で浮くベース車の素性の素晴らしさを生かし、4輪駆動化したうえで水上推進用のプロペラを追加している。
関連リンク[編集]
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